埼玉県の栗(の木)の取引状況(2019)

 

関東平野にある埼玉県は、東京のベッドタウンとして知られているエリアです。県の東部は平坦ですが中部には台地が広がっていてさらに西になると丘陵地帯が増えてくる地形が特徴です。そして県の西部は豊かな自然が残る山地となっていて森林面積も広くなっています。奥秩父には埼玉や山梨それに長野・東京にまたがっている立地に国立公園が広がっています。自然が豊かな茨城・栃木・群馬とも隣接している県です。
埼玉県は県土全体の32パーセントが森林となっていて、その面積は121,260ヘクタールです。森林面積の割合は国内のほかの地域と比べるとそれ程多いわけではありません。しかし県内の南西部にある荒川支流域には、江戸時代から林業地として知られている西川林業地があることで有名です。ただしスギやヒノキなどの人工林が多い場所であり、西川林業地の人工林率は80パーセントを超えています。しかし秩父市の中津川県有林には天然林があります。埼玉県全体では、国有林の面積は12,169ヘクタールで、民有林の面積は109,091ヘクタールとなっています。そんな民有林のうち人工林が占めている割合は約53パーセント、面積は57,408ヘクタールです。県内にある国有林の内の人工林の面積は2,452ヘクタールで、全体の約20パーセントとなっています。
そんな埼玉県の栗の取引状況は、スギやヒノキと比べるとそれほど多いものではありません。西川林業地で取り扱っている材木は人工林から産出されるスギやヒノキであるため、県内で採れる材木は国内の他の地域とおなじようにスギ・ヒノキが多いという状況です。しかし埼玉県では栗の木材を扱っている卸売り業や建築業の会社が県内にはいくつもあります。比較的強度がある栗は加工や乾燥が難しいこともありますが、土木用や杭木として使われたり木造家屋の土台などにも用いられたりしていたりする木材です。家具職人には家具材として加工して使われることもあります。

 

 
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