北海道の栗(の木)の取引状況(2019)

 

北海道はその面積の広さが特徴であり大きな魅力でもありますが、広さを活かした林業においても盛んな取引状況が確認できます。一例として2019年の4月?9月における、国有林の木材製品の販売状況は約254.1千?という実行数量があり、これは前年の同期と比較しても増加している事が特徴です。
このような木材取引状況がある中で、栗の木材としてはどのような現状があるのでしょうか。栗の木は北海道の南部に多く生育しており、灰白色の辺材が特徴です。栗の木材は強度が硬く、耐久性や耐水性が魅力の1つでもあり、住宅の土台などにも古くから活用されていました。また虫の被害に強いという特性がある事も魅力で、防虫処理が一般的に難しかった時代には特に重宝されていた木材でした。しかし近年では蓄積量が減少している事もあり、北海道での取引数量も減っている事が伺えるのが事実です。
北海道は栗の木と密接な関係がある事も見逃せないポイントですが、その中の1つが「栗山町」という地名でしょう。空知管内にあるこの町は、アイヌ語が由来の「栗の木が多いところ」という意訳から付けられたとされています。
そして江別市には明治21年頃から栗の入植が行われており、水源林としての活用とともに木炭、家具の木材として使用されていました。現在の野幌森林公園内にある一本のクリの大木は、当時からご神木という扱いで大切にされていました。その後昭和29年にはトドマツの植林のために周辺を伐採したのですが、この一本のクリの樹だけは残されており、現在でも公園内で拝見する事が可能です。その樹齢は推定500年とも言われており、高さは18メートルにも及ぶスケールが特徴です。
現在では木材での取引状況が減少している栗の木ですが、このように北海道にとっては欠かせない存在でもあります。開拓時代からの経済を支えながら、2019年の今でも一部の家屋やテーブルなどの用途に使用されており、道民に親しまれている事が特徴です。

 

 
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