鹿児島県の栗(の木)の取引状況(2019)

 

鹿児島県では栗の生産量が年々微弱ではありますが減少傾向に至っています。これは農家の人口の減少と高齢化によるもので、鹿児島県に限らず全国的に農家が抱えている問題となっていますが、特に栗に関しては生産に関する手間が多いために出荷量が減少しているのが実態です。
しかし鹿児島県の全国的な出荷量の順位はむしろ上昇傾向にあり、20位台前半の順位を維持しているばかりでなく、その順位は近年むしろ上昇傾向にあります。その理由は生産体制の省力化と作付面積あたりの収穫量が上昇していることにあり、農家の作業の効率化が向上していることや、全体的に作付面積が減少しているにもかかわらず、その価格が高騰していることによる収益金額の上昇も背景にあると考えられます。
また近年では自ら収穫を行うのではなく栗拾いなどのレジャーに転用する農家も増えているのが実態です。近年では栗拾いを始めとする様々な屋外のレジャーがブームを迎えており、日本人だけでなく外国人が訪れることも多くなっていることから、栗農家にとっては貴重な収益源となっている傾向が強いのです。
そのため鹿児島県の栗の取引状況は従来に比べその収穫量が減少している傾向はありますが、単位面積あたりの収穫量が増加していたり、その他の収入等が増加傾向にあることから全体的に非常に安定した推移を見せています。近年では水害や台風など様々な自然災害により多くの植物がダメージを受ける傾向が強くなっていますが、その中でも栗は比較的これらの災害に強い傾向があり、今年度も他の作物に比べ思ったほど収穫量が減少していないのが特徴です。
さらに栗の木は古くから木造建築の土台に使用される建築材で非常に有名ですが、近年では木造建築が減少する傾向にありその出荷量も低迷していました。しかし最近では環境に配慮した住宅が非常に人気を高めており、木造住宅が徐々に増えつつあることから国の木材の出荷量も緩やかに上昇している傾向が見られるのが特徴です。

 

 
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