熊本県の栗(の木)の取引状況(2019)

 

果物といえばリンゴやぶどうといったものを思い浮かべますが、栗もこれらと同じように樹木を形成して実をならすことから果物の一種に分類されます。デザートだけでなく混ぜご飯の材料としても用いられることが多いことや、実の外見がそれらしく見えないことなどから果物のイメージを持つ人は少ないですが、栗は果物です。そんな栗の日本での収穫状況や取引状況は、農林水産省が毎年実施している「作物統計調査」や、各都道府県にある中央卸売市場の資料などから知ることができます。
栗の日本最大の生産地は茨城県ですが、これに次ぐ生産地なのは熊本県です。2018(平成30)年の作物統計調査によると、茨城県の2018年のくりの収穫量は4,400トン、出荷量は4,010トンだったのに対し、熊本県での収穫量は2,570トン、出荷量は2,330トンでした。熊本県の収穫・出荷はともに茨城県の約58%程度ですが、2018年に収穫量と収穫量がともに1,000トンを超えたのはこの2県だけであり、熊本県のくりの生産の盛んさがわかります。熊本県で栗がさかんにつくられるようになったのは、1961(昭和36)年に果樹農業振興特別措置法がつくられ、この法律にしたがって国が定める基本方針でくりが重点的に振興が行われる対象に指定されたのがきっかけです。
栗は熊本県のほぼ全域で生産が行われていますが、とりわけ山鹿市と球磨地方でさかんにおこなわれているといわれています。収穫は8月下旬頃から徐々にはじまり、9月から10月にかけて様々な品種で最盛期を迎え、12月頃まで続きます。収穫された栗は品質検査を経て市場に出荷されていますが、地元以外の出荷先は「利平」が主に関東方面、「銀寄」が関西方面などといったように品種によって異なります。日本最大の卸売市場である東京都中央卸売市場でも熊本県産の栗は、すぐ近くの茨城県産ほどではないものの取引されており、都内の飲食店やデパートなどに卸されています。

 

 
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