佐賀県の栗(の木)の取引状況(2019)

 

佐賀県は県土のうちの47%が森林地帯でありますが、日本の都道府県の中では比較的県土に占める森林地帯が少ない地域となっています。そのため林業はそれほど盛んではなく、また果物などもそれほど取引状況が盛んな地域ではありません。しかし、その中で希少価値の高いものがいくつかあり、その中でもみかんは非常に小粒でありながらおいしいと評判になっています。これは少ない森林地域が非常に日照時間が長く温暖な気候であるため、作物が実りやすいと言う特徴を持っているためです。同様に栗の栽培に関しても非常に実の大きいものが収穫できるとされていますが、近年ではその収穫量が減少傾向にあり、さらにその状況が継続的となっている点が特徴です。
その点は日本全国の中でその収穫量は20位程度となっており、全国47都道府県の中では中堅より上位と言う位置づけです。しかし近年は全国的に栗を栽培する農家の高齢化が進み、その作付面積や収穫量が総じて減少傾向にあります。最近では1部の機械化により従来に比べ収穫は非常に手間がかからなくなりましたが、それでもみかんなどに比べ様々な手間がかかる上、利益性が低いこともあり高齢化のためにその栽培を止める農家も増えているのです。これは佐賀県に限らず全国的なものとなっており、1部のブランド栗を除いては全国的にその収穫量が減少しています。
栗は従来から和菓子には欠かせない材料として用いられてきましたが、国産の栗は価格が高騰している問題もあり、中国などからの輸入に頼るところも少なくありません。そのため国内の消費量が低迷していることもあり、佐賀県でもその生産は落ち込んでいるのが実態です。取引状況は年々減少傾向にあり、特に収穫量が減少していることから今後もその傾向が継続的に進むものと考えられ、その状況が危ぶまれているといっても過言ではありません。しかし、日本の伝統を守る1部の菓子店などでは積極的に国産の栗を使おうとする動きも高まっており、ブランドでは無いものの味が良いと評価されている佐賀県のものは継続的に高い評価を受けているのです。

 

 
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