高知県の栗(の木)の取引状況(2019)

 

四国の1つでもある高知県は人口が約69万人で、日本で3番目に少ない人口の県となっています。第一次産業が盛んな県でもあり、全国1位の生産量を誇るナスやしょうが、ゆずなどの農業を始めとして、林業も盛んな地域です。日本三大美林の1つでもある「魚梁瀬杉」の存在も有名である他、高知県の森林率は約84%となっており、国内第1位という規模も特徴です。
木材としての栗の取引状況で見ますと、森林率の高い高知県でも2019年においてもそれほど目立った取引は行われていないようです。この要因の1つでもあるのが、近年の林業従事者の減少傾向が挙げられ、県内の山地が荒廃化しているという事実もあります。この事から高知県では、森林環境税という法定外目的税を取り入れて森林の保守を行っており、各企業との協力によって森づくり事業などにも取り組んでいるようです。
国内トップの森林率を始め、人工林率においても国内第2位という割合となる程に植林が盛んな高知県であっても、県ぐるみでの取り組みによって林業を活性化させているという現状が見受けられます。
栗の木材ははっきりと大きな年輪が特徴で、北海道から九州まで幅広い地域で生育しており、建築材としても優秀な側面があります。特に耐久性が高い事が特筆すべき点でもあり、国内産の木材ではトップクラスともされている最高級素材です。耐久性が高い一方で切削などの加工が難しいという部分もありますが、林業の歴史を持つ高知県では加工技術を有する職人が存在するでしょう。このため加工技術が必要とされる栗の木材も、流通さえすれば取引が盛んになる事が予想されます。
しかし近年の林業従事者の減少もあるように、伝統を引き継ぐ職人も少なくなっていくという事は防がなければならないでしょう。流通面ではかつては陸路の交通が不便な事があった高知県ですが、高速道路の開通などを経て現在では解消されています。栗の木材が流通すると、高知県でも様々な用途に使用されていき、林業や取引状況の活性化に繋がるのではないでしょうか。

 

 
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