京都府の栗(の木)の取引状況(2019)

 

京都府は森林の面積が総土地面積の7割強で、全国の平均より高いです。
民有林の割合は、約98%と全国の平均よりも20%以上高くなっています。
樹種別に見てみるとスギとヒノキ、マツ類で全体の半分以上を占めます。
森林には木材の産出以外にも地球温暖化防止など様々な機能があります。
日本の林業は木材の需給や価格の動向により様々な影響を受けています。
昭和30年代以降は木材の需要が急速に増え、昭和39年に輸入全面自由化により外材の供給量が増加します。
100%近くを保っていた自給率は20%以下に低下しますが、最近は回復傾向にあります。
京都府の特産品で有名なのが丹波の栗です。
平安時代から作られていた丹波の栗は、野生動物の増加や栗の木の高齢化などによって生産量が減少しています。
栗は美味しく食べることもできますが、木材も様々な用途に使われます。
栗の木は日本全国に分布し、特に東北地方の木材が有名ですが京都や兵庫にも良材があります。
栗の木には様々な特徴がありますが、最大の特徴は耐久性の高さです。
心材の保存性が高く抗菌効果があるため、シロアリなどの虫や防腐菌を防ぎます。
土木工事から家具まで幅広く用いられていますが、建築の分野では縄文時代からの長い歴史があります。
昔は雑木林が多かったため全国規模で活用されていましたが、木造住宅が減少し雑木林も減ってしまったことで昔に比べると使用量は減っています。
素朴な木材を愛する人々も多いため、取引状況には大きなダメージはないです。
京都では数奇屋建築や茶室に栗の木がよく使われています。
腕の良い職人も残っているので、伝統的な技術を継承することができます。
アクが強いので雨ざらしにしてアクを抜き、早く乾燥させます。
加工を施した木材は、美しい作品となります。
栗の木は戦後需要が減ったことで伐採量が少なくなり、天然更新が良好な樹種のひとつです。
丈夫で幅広い用途があるため、今後の供給に期待が集まっています。

 

 
トップへ戻る