三重県の栗(の木)の取引状況(2019)

 

三重県の主要産業のひとつが林業であり、栗・ヒノキ・クヌギなど計3種類の取引が盛んにおこなわれています。2019年9月現在の栗の取引状況は計250万トンで、前年比よりも約6%上がっています。三重県は栗の木に至っては日本で第3位の取引率となっており、主に紀伊山地・鈴鹿山脈で伐採されたものが出荷される傾向です。四日市市に県立林業センターがあり、加工場と市場が併設されているため県内で伐採された木はすべてここに集まってきます。三重県の栗の木は国内であれば九州・東北地方に出荷され、海外ルートではアメリカ・マレーシア・シンガポールの3か国に輸出されます。2018年の時点で国内需要向けの出荷数は約80万トンだったのに対し、海外輸出出荷数は約170万トンでした。国内では住宅建材として栗の木は用いず、家具や調度品・民芸品といった小口の需要なのが特徴です。海外の場合は住宅建材として使用されており、強度に長けて湿気を吸収する栗の木は重宝されているという訳です。なお、日本の木が海外輸出できるようになったのは、木材の自由貿易化が了承された1989年からです。そのため、林野庁で木材出荷状況調査が開始された1984年の時点では、三重県の栗の取引状況数は約30万トンしかありませんでした。その後、1989年以降は海外輸出が半数以上を占めるようになり、四日市港で木材運搬用の大型コンテナ船の停泊場も整備されるに至ります。2016年以降になると、取り引き先から求められる総数の確保が難しくなる状況があり、ピーク時だった1996年の340万トンを越える出荷数には届かなくなりました。安定供給を図るために、三重県並びに林野庁では年間250万トンまでの出荷に制限する規制を設けています。2019年以降の三重県の栗の木の取引動向は今後も海外輸出向けで、安定した総量数を出荷していくことでしょう。国内需要は減少傾向にありますが、減少した分を海外向けに補填されているため、全体数に大きな変化は見受けられません。

 

 
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