長野県の桐の取引状況(2019)

 

長野県は豊かな自然に恵まれ、県土の約8割が森林です。
森林には様々な木が植えられています。
長野県では県産材の利用を推進することで、森林のスムーズな循環を図ります。
地域の人々が県産材を活用すれば、森林整備が進んで山も元気を取り戻します。
長野県の県産材ではスギやヒノキが有名です。
桐も根強い人気があり、これまでの取引状況も安定しています。
長野県の伝統工芸品には、国が指定したものと長野県が指定したものがあります。
指定を受けると、伝統工芸品であることを表示することができます。
国と県は協力し、伝統的な工芸品産業の振興に力を注いでいます。
桐を使った伝統工芸品では、桐下駄が有名です。
桐下駄の主要産地は栄村になります。
栄村は北越桐の産地であり、特に品質の高さで知られています。
高品質の桐は下駄や箪笥に適しています。
桐下駄の発祥は明治時代の後期で、現在でも人気があります。
100年前から継承されている栄村の下駄は、特殊なノミを使って仕上げます。
磨くことで美しい木目が浮き出てきます。
軽くて丈夫なのが特徴で、冬は暖かく夏は涼しいので快適に使えます。
軽いので鼻緒が切れにくく、夏場でも熱くなりにくいのが特徴です。
箪笥や下駄など様々な製品の材料になる桐は、軽いだけでなく湿度調整ができます。
空気中の湿度によって収縮と膨張を繰り返し、湿度の調整を行います。
比重は小さいものの強度があり、耐摩耗性にも優れます。
着火点が269度と高く、金庫の内側にも使われています。
厚い板であれば火から貴重品を保護することも可能です。
音響性に優れているので、昔から琴や琵琶など楽器の材料に使われています。
熱伝導率も断熱性も高く、様々な用途に使うことができます。
材質が柔らかいため、鉋をかければ美しい光沢が出ます。
この光沢は絹糸光沢と呼ばれています。
長野県では様々な伝統工芸品や木材製品をサポートします。
生産における課題もありますが真摯に取り組んでいます。

 

 
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