静岡県の桐の取引状況(2019)

 

桐は湿気を吸い取る性質があることからも、古くから和服を保管するための家具や茶箱などで活用が行われていた木材です。また、桐の材質は軽いことや熱伝導率が低くて調湿性に優れているなどの特性があり、貴重な書面などを保管するための箱、雅楽の伎楽面や琴など芸術・文化などで活用が行われたり、箪笥や下駄・日用品など生活の中で深く浸透して幅広い使い方ができる木材として注目を集めています。

 

和服を着る人が少なくなっていること、お茶も茶箱などを使わずに保管ができる技術があるなどからも、桐の需要は年々少なくなっているのが現状です。しかしながら、古くから桐の木材を使い続けている業界は少なくないなどからも、取引状況としては減少傾向を持つものの需要がないわけではありません。静岡県などでは桐の取引状況が比較的多い県であるなどといわれているようですが、静岡県内の民有林の森林面積の割合は、天然林が36%で人工林が60%、これ以外の森林は約4%といいます。

 

伐採時期を迎えた30年以上の樹木の割合は非常に高くなっており、中でも51年〜60年目を迎えた樹木の森林面積は天然林では22,327ヘクタール、人工林においては79,437ヘクタールであり、森林での蓄積量の中でも大きな割合になっています。ちなみに、静岡県愛の民有林での樹種別蓄積量の全量は蓄積全量94,891千m3に対して、スギの木が一番多く41,588千m3、続いてヒノキが33,893千m3、その他の針葉樹は7,828千m3、そして桐を含む広葉樹においては14,307千m3などの割合になります。

 

尚、静岡県内の森林は、山林の保有面積が3ヘクタール未満の小規模隣家数が大半を占めるといわれており、高齢化などにより林業ができなくなっている森林も少なくありません。そのため、若い世代の人々に対して積極的に林業への勧誘を行うなどの試みが行われており、将来的にも森林の活性化への期待が行われているようです。

 

 
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