青森県の桐の取引状況(2019)

 

青森県は奥羽山脈や津軽山地や白神山地、恐山山地や八甲田山などの山岳に恵まれた県で、日本三大美林の青森ヒバの産地でもあります。世界遺産にも選ばれている世界最大級のブナの天然林や、弘前公園のソメイヨシノなどの有名な樹木があり、桐や林檎、桃や梅などの植樹も盛んです。?山岳地帯は亜寒帯湿潤気候のため寒暖差を好む樹の育成に向いており、特に桐は発芽率が高く成長が早いためよく育ちます。?昔から下駄や箪笥、箏や神楽面の材料に重宝され、弥生時代からすでに小琴に桐が使われていました。?現代でも比重が0.31と日本の樹木の中で最も軽く、湿気を通さず割れや狂いが少ないキリは高級建築用の木材に人気です。?建築法の改正により新築する住居の塀やフェンスには高さのあるブロック塀は禁止になり、鉄製や木製のフェンスで目隠しするようになりました。?桐の箪笥が下火になる代わりにこの頃から狂いの少ないキリが外壁用資材に重用され、ウッドデッキの材料にも使われるようになり、2019年の桐の取引状況は昔よりもずっと増えています。?また森林浴効果を狙った木造住宅の人気の高まりとともに、9.4マイクロヘルツという人間の皮膚と同じ波長を持ち、虫のつきにくいキリは年々需要が伸びており、桐製のブラインドやベッドなどインテリア素材としても好評です。?
海外でもキリは人気が高く青森と取引のある輸出先は中国やフィリピン、韓国や台湾などでシブ抜き処理した桐材や桐板にして出荷しています。?国内では高齢化で脚力が落ち浴槽をまたげなくなった折、浴室ごとリフォームするのは予算がかかるため、キリのすのこを敷くことで浴槽との段差をなくすなど、介護用品向けの利用も増加中です。?キリの根は地中深くに伸びるので他の樹木の生育を阻害しないため、近年では災害を防ぐための防風林としても植えられるようになりました。?葬儀の棺など昔と変わらずキリが利用されているものもあります。

 

 
トップへ戻る