鳥取県の桐の取引状況(2019)

 

鳥取県で2018年9月〜2019年10月までに取り扱った桐の出荷総数は、約640万トンであることが林野庁の取引状況調査報告書で明らかになっています。鳥取県は国内第2位の桐の生産地であり、大山・中国山地周辺で林業が盛んになっている特徴があります。日本海側に面した地域で、冬になると大陸から湿った空気hが流れ込んで連日豪雪に見舞われます。この気候が桐の生育に影響を与え、真っ直ぐに伸びる幹ときめ細やかな木目を持つ木になって高品質な材木として取り引きされるようになりました。鳥取県境港市の林業センターに併設されている市場では、桐の取引価格は1kgで約1万2000円となっていて、全国の平均額の約5000円を大きく上回っていることがわかるでしょう。高級木材という価値があることから2000年以降になると、国内だけでなく中国・イタリア・フランス・アラブ首長国連邦からの需要があり海外輸出数も大きく伸びるようになりました。2019年8月の海外輸出数は約340万トンで、総取引数の約半数が海外輸出向けであることが見て取れます。海外では桐を住宅建材にするほか、ウッドデッキ・船・家具など多用途に使われる傾向があります。イタリアとアラブ首長国連邦に至っては高温多湿な環境から、近年は木材を基礎にした住居が好まれるようになっており高品質な鳥取県の桐に白羽の矢が立ったという訳です。なお、国内需要に限定すると、林野庁で取引状況の調査が開始された1984年から2019年までの出荷数に大きな変化はなく、安定した需要と供給がおこなわれていることがわかります。2019年以降の鳥取県の桐の取引動向を予測すると、年々増加する海外需要に対して出荷量制限を設ける可能性があります。天然資源を守るうえでも出荷量制限は大切なストッパーの役割があり、県および林業センターでは現在許容範囲数の大まかな数値を模索されています。そのため、現在の約640万トン以下の取引になることでしょう。

 

 
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