京都府の桐の取引状況(2019)

 

桐の材質はかたくて熱伝導率が低いこと、調湿性に優れていることなどの特徴があり古くから貴重な書物を保管する箱や琴、タンスや下駄、日用品など幅広く利用されています。国内では、秋田県や福島県、岩手県などが主要な産地になっています。桐の国内需要は増加傾向にありますが、不足分を補うためや価格面の有利さから輸入材も多くなってきている現状です。
桐は、アジア大陸東部が原産地で日本や中国、台湾ブラジルなど世界各地に分布しています。北緯52度から南緯35度まで分布しているため、日本では北海道から九州にかけて植栽されています。桐材は軽く、比重が小さいので音響変換効率が高いなど、さまざまな特性があります。桐は水分者弾力が強く、空気中の湿度によって膨張したり収縮をしたりしながら湿度調整を自然に行うので、衣類の保存や虫よけに適しておりタンスの材料として現在でも需要が高い木材です。京都府では、伝統工芸品の京都指物などタンスや小物入れなどの生産が盛んで、京都府産の桐も多く使われているので取引状況は主要な木材と比べると少ないのですが、京都府産という付加価値も手伝って取引状況は盛況です。
国産材の中ではきわめて軽く、強度が高いと言われているスギと比べて約3分の2の強度がある上に、耐摩耗性にも優れているため高級下駄の材料に使われています。桐は多孔質の構造で熱伝導率が低く、断熱性が高い特徴があります。また音響変換効率が高いため、楽器としての振動版に使われており、琴など伝統楽器の材料でもあります。履物やタンス、楽器などいろいろな用途に使われていますが、建築材としては内装や浴室などに一部使われるほかは、土台などに使われることは少なく、建築資材としての需要は低めです。しかしながら高級タンスや伝統工芸品などの材料のための需要が高いため、技術力がある職人が多く老舗も多い京都府では、京都府産の桐も取引状況は良好になっています。

 

 
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