和歌山県の桐の取引状況(2019)

 

桐は色や木目が大変美しく、調湿性にも優れているため着物や衣服を収納するのに適しているとされておりタンスの材料に使われています。国内の桐の生産量のピークは、昭和34年で以降は国内生産量は減少傾向にあり、昭和47年からは輸入量が増加しはじめています。国内での主要な産地は福島県や新潟県、秋田県、岩手県が有名ですが、和歌山県でも産出されており、杉などの主要な木材と比べると取引状況は少ないのですが需要が高いことから取引は盛んです。
桐の国内生産量は徐々に減少していますが、婚礼タンスをはじめ衣装タンスや小物入れ、下駄や琴など幅広く人気があるため不足分を補うために輸入桐材が増加し、国内産の市場を席巻してきています。輸入材は、供給量が安定しており、価格面でも有利さがあることから取引状況は盛況です。
桐は水分を遮断する力が高く、空気中の湿度によって膨張や収縮をしながら湿度調整を行う特性があるため、衣服の保存や虫よけに適しています。国産材の中ではきわめて軽く、強度が高い杉の約3分の2程度の強度もあるため、下駄に使われるなど耐摩耗性に優れた性質があります。優れた特徴が多いだけでなく加工がしやすく、材の収縮率が小さいため狂いが少ないこともあり、古くから日用品として使われているほか、色や木目の美しさから高級家具の材料として珍重されてきました。
多孔質の構造を持ち、音響変換効率が高いので、楽器として振動版の役目を果たし音響性にも優れています。日本の伝統楽器である琴の材料に使われていることが有名です。建築物の土台や柱などの建材として使われることは少ないのですが、美しさや触り心地の良さから建具や内装、風呂などに使われており人気があります。経済産業大臣が指定する工芸品である伝統工芸品に指定されている全国で207品目のうち、桐を使用している伝統工芸品はタンス6品目や木工2品目、人形と琴が各1品目ずつの合計10品目あります。

 

 
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