和歌山県の桜(の木)の取引状況(2019)

 

和歌山県は紀の国と呼ばれていた県、紀の国は「木の国」が転じたものといわれており、県内の森林面積は全国で第6位の規模を持ちます。総土地面積は472,468ヘクタールに対して森林面積は360,931ヘクタール、総土地面積の約76%は森林エリアです。ちなみに、隣接する奈良県の森林面積の割合はほぼ同一、森林地帯の面積の割合は全体の約4分の3などからも林業が盛んな場所であることはわかるのではないでしょうか。

 

民有林と国有林の割合ですが、和歌山県では民有林が全体の約95.4%で国有林は4.6%の比率になります。民有林の内約60.8%は人工林で、37.8%が天然林です。人工林の面積は208,907ヘクタールで、ヒノキは全体の54.6%、スギは全体の約42.6%、その他の樹木が2.8%の割合になっています。ヒノキやスギなどの林が多いなどからもこれらの樹種の取引状況は高めであり、建築部材に使われることがある桜においての取引状況は、その他の樹種が2.8%などからもわずかな量に落ち着いているといっても過言ではありません。

 

一方、天然林の面積は129.653ヘクタールで広葉樹の林が全体の約93.6%、桜などを含む樹種の林は0.89%です。ただし、この割合は針葉樹林の数値であり桜は落葉樹であり、針葉樹とは全く異なる樹種です。そのため、和歌山県内の桜の取引状況は、人工林の中の2.8%の一部でありその量は決して多いものではありません。尚、スギやヒノキの生産量が多い和歌山県ではありますが、スギやヒノキは直径14〜22cmのものが伐採されて建築材などで用いられるといわれており、木材価格自体も時代と共に大きな変化があるのが特徴です。例えば、ヒノキなどの場合は昭和60年頃には1立方メートル当たり54,000円の価格で取り引きが行われていたようですが、平成30年頃には18,400円と下落しており圏内のスギやヒノキの価格は大幅に落ち込んでいることがわかるのではないでしょうか。

 

 
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