大分県の桜(の木)の取引状況(2019)

 

大分県は、県土の71.4%が森林となっていて、比較的林業が盛んな地域です。生産量についてはスギが全国3位、林業算出額は全国6位です。生産している木はスギとヒノキを合わせると約94%になります。そのため、それ以外の品種はあまり生産されているとは言えず、桜の木は取引状況はほとんどないと言えます。そもそも、大分県に限らず、林業ではあまり桜を扱うことがありません。それは、需要があまりないからでしょう。スギやヒノキは加工もしやすく生産もしやすいため、広く材木として活用されています。桜も全く用いられることがない訳ではなく、テーブルやタンスなどに使われることはあります。元々の供給が少ないためか、これらは高級品となっています。
桜にも色んな品種がありますが、加工に適しているのはヤマザクラです。ソメイヨシノは鑑賞に優れていますが、内部が空洞になることや、形が真っ直ぐではないので製材しにくいと言ったことから、現実に利用していることを見かけることはありません。
カバザクラという品種のヒノキがありますが、こちらは比較的ヤマザクラの代用木としてフローリングや家具などに使われることがあります。あくまでカバですが、桜に似ていることから名前に桜が入っていて、場合によっては桜と呼ぶことさえあります。そして、本来の方が本桜などとわざわざ呼ばれるくらいなので、いかにカバザクラが本家に似ていて代用されることが多いのかが分かるでしょう。
現在大分県では林業をになう人材が少なくなってきたおり、若手の育成が必要となっています。そのため、おおいた林業アカデミーという講座を開校したり、都市圏で就労相談会を催して外から人を集めるなどの努力をしています。こうした取り組みはすぐに結果が出る訳ではありませんが、将来的には成果に繋がるかもしれません。担い手がきちんと成長すれば、今後も大分県の林業は全国的に高い順位をキープしていくはずです。

 

 
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