山梨県の桜(の木)の取引状況(2019)

 

山梨県の桜の木は、伐採して流通したり加工販売されるよりも、観賞用として幅広く楽しまれています。
舞鶴城公園の桜は空間の隙間を含めて、時代やスケール感を思わせる魅力的な観賞ができる名所です。
毎年3月中旬あたりで見頃を迎えますから、全国的に見て比較的早いタイミングでいち早く開花が楽しめます。
わに塚のサクラは樹齢300年以上の立派な桜が魅力的で、ライトアップされる夜桜もまた、昼間とは違った良さを感じさせます。
背景にはまだ雪が残る山が見えますし、300年の時間を思わせるボリュームのある樹姿も見逃せないです。
山梨県ではお寺の名所も非常に多く、妙了寺や大善寺に慈雲寺など、こちらも歴史ある建物と一緒に観賞できます。
取引状況について、建材としては需要が床材に限られること、家具用途や楽器なども限定的な点を合わせて、あまり市場の流通量は多くないと見られます。
一般的には燻製用のチップ材が身近ですが、それでも大量の需要はありませんから、伐採量は上がっていませんし、県外からの流入に頼っている部分が小さくないです。
ただ、小さいながらも様々な用途の需要を合わせれば、それなりの需要になるので、山梨県に入ってくる形の桜の木は決して少なくないでしょう。
取引状況といっても、数字をまとめるほどの取引は行われていないので、やはり他県と比べても目立たない取引量に留まります。
今後もこの傾向が変わる可能性は低く、取引状況は安定したまま続くと思われます。
いずれにしても、山梨県には観賞の需要がありますし、名所から桜が姿を消すような状況になれば、県外に対する需要が高まるはずです。
他には、桜の木の特性を活かしたヒット商品の登場や、消費量を増やす取り組みが取引の活性化などが、流通量の増加に繋がる切っ掛けになると考えられます。
しかし、いずれも現状において兆候はありませんし、山梨県の桜の木が注目を集めるニュースもないので、当面は現状維持が続くでしょう。

 

 
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