広島県の桜(の木)の取引状況(2019)

 

広島県の面積の72%が森林となっているので、広島県は林業が盛んなエリアです。主に生産されているのは上位からヒノキ、スギ、アカマツとなっており、これだけで97%を占めています。したがって、桜の木の生産はほとんどされていないので、取引状況も統計には現れない細々としたものとなるでしょう。広島県は製材品の出荷量が1位になる年も多いですが、実は多くを輸入材に頼っているのが現状です。そこで、最近では県内産の木材の競争力を高めるための計画を立てるなどの取り組みがなされています。例えば、県産の木材を利用して住宅を建てた場合に助成金の支給をしています。それによって消費が増えれば、生産する側も利用者を拡大して欲しいので改善すべき点は改善し、より競争力のある林業に育っていくでしょう。
桜は製材品にはあまり用いられることはありません。というのも、元々製材用に計画的に生産するのに選ばれることがないので、希少だからです。木材市場で探してみても見つからないことも少なくありません。安定供給がなされないのであれば、それを加工に使うインセンティブもなくなりますので、結果的にレアな高級品になってしまいます。
加工に使われることのある品種はヤマザクラで、花見で楽しまれるソメイヨシノは全く加工に使われません。ソメイヨシノは真っ直ぐ立つ木ではなく、形が歪なので加工に適しないのが理由です。製材するのに使われるのは、加工がしやすいタイプになるので、それに当てはまらないソメイヨシノは対象外で、日本で広く植林されているのも、春先に美しい花を咲かせるからです。
ヤマザクラと似ているカバザクラは樺の木ですが、似ているので桜のネーミングが入っています。この分野では桜と言うとヤマザクラを指すこともあります。こちらは住宅のフローリングに利用するのが人気で、近年取引数が増えてきています。人気があるのは木目が美しくて綺麗で、部屋の見た目を美しくすることができるからです。

 

 
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