京都府の桜(の木)の取引状況(2019)

 

京都府では様々な季節の観光が楽しめる事も魅力で、特に桜の花見というのは観光客の方からも高い人気を誇ります。
その種類はサクラの開花予想の品目でもある「ソメイヨシノ」や、日本の南半分に多く分布している「ヤマザクラ」、そして京都府の花として指定されている「枝垂桜」などが有名です。
木材取引状況の観点から見てみますと、京都のサクラではヤマザクラが1番適している樹木です。ソメイヨシノは観賞用として江戸時代に作られたという経緯もあり、木材用途には向いていないとされています。
このヤマザクラは粘りのある材質ですので、表面を綺麗に加工できる事もメリットで、版画の台木に活用されていました。江戸時代の書籍などの版画の木は、大部分がヤマザクラを使用していたようです。
その他にもピアノやオルガンの外装や、木管楽器や三味線などの楽器での用途があり、家具として作る場合は希少品でもある事からプレミアムな存在となっているようです。
しかしヤマザクラは入手困難となっている取引状況ですので、代用のマカバ材が流通しているという傾向が高まっています。そのため京都府内での桜の取引状況としては、減少していると言えるでしょう。代用にしているマカバ材ですが、近年ではヤマザクラの代用という範囲を超えて、独自の魅力が認められているという事も特徴です。
京都市は古くからの高い技術によって林業が支えられてきましたが、森林の規模を確認すると京都市における森林面積は総面積の約73%を占めているというデータがあります。これは日本の政令市の中でも2番目という森林率となっています。
このように木材を扱うノウハウは高度なクオリティを持っており、木材流通は京都を支えている産業の1つと言えるでしょう。しかし木材用途での桜は希少である事からも、取引数が決して多いとは言えない状況です。木材用途よりも、観賞用で植樹されている桜が多数ありますので、桜と京都は密接な関係があると言えるでしょう。

 

 
トップへ戻る