石川県の檜葉(ひば)の取引状況(2019)

 

石川県は、南北に細長い形をしている北陸地方にある県です。西側には日本海に面した海岸線が続いていて、東側には両白山地の山があります。年間降水量は全国でも5位という多さで、冬は多くの雪が降る豪雪地帯でもあります。総面積は418,600ヘクタールで、国立公園や国定公園がいくつもある、自然に恵まれた地域です。白山国立公園は、両白山地の山々が区域内にあり、ブナの原生林が広がっています。林業も盛んで能登地方で産出されている能登ヒバも全国的に知られています。
石川県の森林面積は約290,000ヘクタールで、県全体の70パーセント近くを占めているのが特徴です。さらに森林面積全体の88パーセントは個人が所有している民有林です。そのうちの40パーセント近くは人工林となっています。県内の人工林に植えられている樹木の70パーセント近くはスギです。
石川県の檜葉の取引状況ですが、全体の生産量の内、第2位の量となっています。地元では方言でアテと呼ばれるヒノキアスナロは、石川県の木としても指定され親しまれています。東北地方の北部から北海道にかけては檜葉の自然林が存在していますが、能登地方では植林もおこなっているのが特徴です。また加賀地方では広葉樹が多い傾向にあります。
輪島市や穴水町などの能登半島で造林されている檜葉は、耐久性が高いため建材としても優れていて、建築の内装や外装に使用されています。湿度にも強いため、住宅の土台に使われることも多いです。フローリングや家具・建具などにも使用されるほか、風呂桶や漆器の木地としても使われている木材です。またヒノキチオールという抗菌性のある香り成分が含まれていることでも知られています。
石川県で生産される能登檜葉を使用した製品には、すのこベッドやアロマオイル、組子引き戸といった物にも加工されるほか、珍しいものでは土産物として販売されるボールペンや金沢葉書・しおりなどもあります。

 

 
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