神奈川県の檜葉(ひば)の取引状況(2019)

 

神奈川県の森林区域は、概ね三つの区域に分けることができ里山域・山地域・奥山域となります。大まかには標高によって分けることができ、里山域は標高が300m未満、山域は300〜800m未満、奥山域は800m以上です。
県土の約40%が森林面積で94,701ha、そのうち民有林が84,048haとなり、檜葉が属する針葉樹の面積は32,319haとなっています。半数以上は広葉樹で占められる特徴を持っており、スギ・ヒノキ・檜葉などの針葉樹の割合の方が少ないです。
スギ・ヒノキ・檜葉は、樹齢が36年以上の割合が90%と高く成熟化が見られる状況となります。
神奈川県内でも檜葉の樹木は山域から奥山域にかけて見られ、ヒノキオールの芳香を持ち、枯れ死しても腐敗が進みにくい性質があるため、建築物でよく利用されます。もっとも檜葉がよく見られるのは、奥山域の丹沢山から箱根外輪山にかけて見られるため、スギ・ヒノキと共に市場に出回ることもあります。
神奈川県内での県産木材の生産量は昭和40年代に記録した10〜15万uをピークにして、現在は5千uを下回る状況下になっており、2019年度も同じ水準で推移されます。その理由には海外産の安価で良質な木材が輸入されたことにより、県産木材の需要が落ちたことにあります。
他にも人工林を管理するためのコストがかかる点も存在し、檜葉を始めとする神奈川県産の木材の取引状況は落ち込む要因になっています。近年は県産の木材のブランド化を進め、公共施設や保育園・幼稚園でも積極的に県産木材の活用を推進しております。
また林業従事者の高齢化が進行して、取引状況の悪化も起きていましたが、近年は若返りも進むなど担い手の育成にも力を入れています。檜葉の取引状況の中でも抗菌・防虫効果が高い点に注目され、建物の柱や土台部分に利用されることも多いです。
実際に檜葉で建築された住宅は、防虫効果が高いため、蚊や蜂、蛾などの害虫が近づきにくいメリットがあります。他にも湿気に強い性質もあるため、温浴施設や風呂材に利用される取り組みも実施され見直されています。

 

 
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