青森県は本州の最北端に位置する県で、総面積はおよそ96万5千ヘクタールの広さがあります。そのうちの森林面積は63万ヘクタールで、国有林は39万ヘクタール、民有林が24万ヘクタールとなっており、樹種目別に見ると杉が58パーセントと過半数を占め、次いで松の20パーセントと続きます。青森県の檜葉生産量は全体のわずか1パーセントほどしかありませんが昭和41年には県の木に指定されたほど県民に親しまれている木で、全国の蓄積の8割以上を青森県が占めています。主に下北半島と津軽半島が生産地で、昭和40年代には40万立方メートル伐採されていたという時期もあり、大径の檜葉丸太が大量に生産されていたことから、青森県では総檜葉造りの一般住宅も珍しくありませんでした。木材として見た青森県産の檜葉には「青森ヒバ」というブランド名があり、香木とも称されるほど香りが強いことが特徴で、水に強い上にカビや雑菌に対して驚異的な抗菌力を持つことから、シックハウス対策に有効な木材として知られている他、青森ヒバから抽出される「精油」に含まれる「ヒノキチオール」と「βドラブリン」には非常に強力な抗菌作用があるため、医療機関や公共施設などで広く利用されています。現在の青森県における檜葉の取引状況は県内の木造加工会社や住宅建設会社が中心で、家具やまな板などに加工されて全国に流通している他、首都圏の木材会社へ高級木材として販売されており、価格は長さ2メートル幅9センチ厚さ1センチの節なし無垢羽目板が4万円前後、長さ2メートルで縦横10センチの角材なら5万円前後が相場です。ここ数年間の残存材積はヘクタールあたり350立方メートルで推移しているため安定供給が可能な状態で、今後は首都圏へ向けた青森ヒバ製品の販売強化と森林組合を中心とした計画的な伐採と植樹による檜葉森林の保全及び育成計画の立案、小径木の成長に効果的な伐採期選定技術の開発が課題となっています。

 

 
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