鹿児島県の檜葉(ひば)の取引状況(2019)

 

鹿児島県における森林面積は93,533haとなり、県の総土地面積の68.2%で森林が生い茂っている状況になっています。国内の森林面積が総国土面積の約2/3となるとされていますが、全国の県平均が63.6%となり、鹿児島県では大きく上回っている状況を見ることが可能です。
森林面積の約7割が民有林であり、そのうち人工林率は69.8%になりますので45,977haが人工林となります。人工林の代表的な樹木にはスギ・ヒノキ・檜葉等の針葉樹で、割合もスギとヒノキ・檜葉と区別され、それぞれで二分しているのが鹿児島県の森林事情になっています。
もっとも檜葉はヒノキ科に属する樹木で、一般的に流布されているヒノキより特殊な特徴を持つ材木です。樹木特有の香りが強い点と早晩材の色調の変化がほとんど見ることがなく、均質を保つ点に特徴が存在します。
このようにスギ・ヒノキ・檜葉といった針葉樹の用途は、主に建築資材に利用されることが多く、なかでも檜葉朽ちにくい点でも丈夫であり、建築物の主要部分で利用されることも多いです。他にも湿気にも強いため、建築物の基礎などの土台の部分に盛んに用いられることもよく見られます。
取引状況でも一番、市場に出回る率が高い樹木はスギで、その次にヒノキであり、檜葉が続きます。実際の価格に関しては、ヒノキが最も高く、次に檜葉、スギが三番目となります。
鹿児島県内では、素材生産業者が44業者存在し、年間の生産量が約5,000u未満の小規模の業者が多いです。なかでも良質な樹木を確保できる霧島市に21業者が集中し、他には伊佐市、湧水町で業者を見ることも可能となります。
近年の鹿児島県の取引状況の中でも、針葉樹に関する生産量自体は落ちている傾向が見て取れます。一方では生産量が落ちても、生産額自体はそれほど激しい落ち込みには至っておりません。
輸入材の攻勢にさらされながらも健闘しており、鹿児島県産の木材を利用して県内の公共施設を建築したり、民間での活用・木材バイオマスなどの新たな活路を模索している状況です。

 

 
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