香川県の檜葉(ひば)の取引状況(2019)

 

うどんで広く知られている香川県は人工林の面積が都道府県のなかでもトップクラスで、その規模は県土面積の50%以上を占めています。そのうち9割が檜と杉の人工林で、残りの1割が檜が群生する森林です。
檜と杉は建材として古くから親しまれており、その強度も折り紙付きなうえに香川県では県で育まれた木材を木造住宅のリフォームを含む建築に使えば助成金が発生する制度になっています。
元々香川県の木材の生産量、もとい林業は盛んな県でした。
しかし昭和50年から始まったマンションブームやバブルの崩壊、さらには害虫の影響を受け、林業の稼ぎになっていた木造住宅の建造が一気に落ち込んでしまいます。これにより木材の取引状況は低迷していくわけですが、香川県はそんな木材市場を救おうと奮闘しました。その一環で生まれたのは先述した助成金で、他にも積極的な宣伝や多種多様な樹木の生産量の増加などありとあらゆる対策を講じています。それらが功を奏し、現在の香川県の全体的な取引状況は改善されている状態です。
そんな取引状況の主力はやはり杉と檜ですが、檜葉もまた需要のある木材として認識されつつあります。
檜葉は北海道南部から本土、四国に九州に広く分布しており、檜と比べれば柔軟です。乾燥によって割れやすく、アテが出やすいところが欠点ですが、加工のしやすさと仕上がりの具合は優れています。保存性にも優れており、湿気や水気にも耐性があるため、船舶材に土木材、そして枕木などにも用いられている檜葉には「ヒノキチオール」という独特の香りがあるのが最大の特徴です。「ヒノキチオール」は雑菌や害虫を引き寄せない抗菌性のある芳香で、蚊やシロアリを遠ざける効果があります。おまけに人間にはリラックスやアトピー改善の効果をもたらす事が確認されており、木造住宅が見直されている現在において人気を博している木材です。まだ檜ほどの生産量はないですが、檜に匹敵する木材であるので今後の取引ではメインになる可能性があります。

 

 
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