滋賀県の檜葉(ひば)の取引状況(2019)

 

滋賀県は、国土面積の大きさの一方で人工林の面積がそれほど多くはなく、林業全体の輸入率が大きくなっている傾向があります。これは、他の県の輸入だけではなく外国のものも含まれています。そのため、檜葉の内需もそれほど大きくはなく、外からの輸入に頼っている現状が存在します。実際に、森林率は国土全体で51%程度しか存在せず、近畿圏でみても大阪の次に低い数値となっています。全国平均でみても、この数値は決して高い数値ではありません。そもそも、滋賀県は檜葉に限らず現状の森林面積がそれほど広くはないという傾向が存在します。近畿圏では大阪府が大都市化の傾向もあって著しく森林面積全体が縮小している傾向がありますが、滋賀県もやはりそれに次いで森林面積そのものが狭い状況です。これは、滋賀県の環境そのものとも関連しています。滋賀県は、国内でも有数の大きさを誇っている琵琶湖が存在しますので、この影響で物理的に人工林を増やすことができないという背景があります。そのため、自家生産の木材を増やしたくてもできない状況にあり、建築などに利用する木材の取引状況は外とのやり取りに依存する傾向が存在します。もちろん、それによって木材市場の取引状況全体が悪いわけではありませんが、良質なヒノキや檜葉などは他の生産地から買い取って建築に活かさなくてはいけない状況です。
滋賀県全体では、林業活性化や木材市場の需要を呼び起こすために努力しています。例えば、自家生産の木材を利用して公共施設などに木材を利用するなどという取り組みを行っているので、全体的に工夫をしていることに違いはありません。実際に、県産材の木材をどうやって活かすのかといった情報発信や研修会も行われていますので、林業全体を盛り上げるための対策を講じているといえます。生産量や取引状況の改善だけではなく、木材加工や流通体制の整備なども整えていくことで、需要と供給の安定性を図る取り低みを重ねています。

 

 
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