愛知県の檜葉（ひば）の取引状況(2019)

愛知県は、森林面積が全体で22万haある県土であるため、林業そのものも順調に行われている傾向があります。実際に、森林面積は県土の約40％以上で、そのうち人工林率は60％以上も存在します。これは、2018年現在で全国でも第3位の現状です。ただ、檜葉などよりもヒノキやスギを中心とした林業を行っていますので、取引状況としてはそちらの方が優位であるという点が存在します。数値上の比較でも、人工林率は全国的にも非常に高い傾向があります。これは、近年の日本にとってとても有益な数字です。日本は、戦後に何度か大規模な伐採があり、全国的に建材となる木材を確保することができない地域も存在します。木材として成長させるためには数十年という期間が必要になりますので、それまでの間は他の場所から建材を確保しなくてはいけません。現実的にも、全国平均の人工林率は45％程度しか存在しません。一方で、愛知県はヒノキやスギの人工林率が非常に高く、全国的な平均値を15％以上も上回っています。そのため、木材を素材とした産業を活性化させることができる環境が存在します。過去の比較からみても、平成16年度や平成17年度と比較すると、素材生産量は約1.8倍にまで増加しています。それだけ、過去から現在に行われていた人工林の拡大が功を奏していることがわかります。
また、愛知県全体としても林業に力を入れた取り組みを行っている魅力もあります。例えば、林業の低コスト化です。檜葉に限らず、林業に関わる問題を解決するために森林所有者の林業収入や、定職を確保するための労働所得の改善などを促進する手助けをしています。低コストで木材を生産することができれば、全国的にもより優位な取引状況になるため、愛知県でもこういった改善策で努力をしています。抜本的に改革をしていけば、さらに素材生産を効率的に行うことができるため、結果的に林業全体の収益の増加に繋がります。