岐阜県の檜葉(ひば)の取引状況(2019)

 

檜葉(ひば)とは檜の葉のことですが、日本の木材市場ではアスナロ(ヒノキアスナロ)の別名として使われることが一般的です。ヒノキ科アスナロ属の常緑針葉樹であり、地域によりあすひ・あて・しろびなどと呼ばれます。また一部では外国産のイエローシダーが、米ヒバと呼ばれる場合もあるようです。檜葉は日本全国(北海道南部から九州まで)に幅広く自生しており、中でも青森産の檜葉は銘木とされています。耐水性や耐朽性に優れ、木目がまっすぐで肌目が緻密であることが特徴です。ヒノキと同様に「ヒノキチノール」の成分が含まれるため、住まいの材料に活用した際などには抗菌効果が期待できます。木材の色目は黄色を帯びた淡い白色で、芯部分は黄白色が強めとなっています。

 

岐阜県は日本の中部地方に属する県であり、内陸部に位置するため豊かな山林を持ち、木材市場では様々な樹種が活発に取引されています。平成24年度の調査では岐阜県の森林面積は86.2 万haとなっており、これは全国で5位の広さになります。さらに森林面積は岐阜県全体の面積のおよそ81%を占めるものであり、森林の割合(森林率)は全国2位です。その他には森林備蓄が1.67億?で全国5位となるなど、岐阜県は日本でも有数の森林県となっています。

 

岐阜県の森林は国有林よりも私有林が多いことが特徴であり、さらに近年では天然林よりも人工林が多くなっています。岐阜県にはもともと針葉樹を中心とする豊かな森林が広がっていたのですが、木材の需要の増加に伴う伐採により天然林が減少し、これを補うために植林が積極的に行われた結果、人工林の割合が増加したのです。木材の取引状況としては檜の流通量が多く、次いで杉が多くなっています。岐阜県は檜葉の自生地でもあるため、以前から檜葉の取引も行われているのですが、檜や杉と比較するとその量は限られるようです。ちなみに檜葉の生産量が多いのは青森県と石川県であり、それぞれ「ヒバ」「アテ」という名前で、県木に登録されています。

 

 
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