栃木県の栂(つが)の取引状況(2019)

 

栃木県は全体の55%が山林であり木材の生産が古くから盛んな地域となっています。関東地区の中では比較的木材生産が盛んな地域となっており、また良質な木材が生産される地域としても非常に有名ですが、近年では国内の木材の消費が落ち込む傾向にあり、そのために栃木県の木材もその売り上げが非常に低迷していると言う実態があります。そのため栃木県では高度成長期からその生産の中心となっている杉や檜の他にも様々な木材を生産し始めており、その中でも特に注目されているのが栂となっているのです。
栂の特徴は軽く加工しやすい点にあります。そのため従来は民芸品や木工品などに利用されることが多かったものですが、近年では建材にも利用されるようになっており、国内のほとんどの木材が需要の低迷を見ている中で、取引量が増えている非常に珍しいものとなっているのが実態です。
栃木県では近年栂の需要が増えていますが、その理由には日本の木造家屋の変遷と様々な海外の高い建築技術の導入が融合したことが大きな理由となっています。高度成長期に多くの木造住宅が建築された中で、日本の林業は杉や檜の植林を促進しその材料を確保しようとしてきましたが、同時期に海外の安い木材が輸入されるようになり、コストの面から海外の木材が使用されることが多くなってしまいました。同時に海外の様々な独創的な木造建築の技術も伝わることになり、その中で住宅に様々な装飾を行う建築が広まったことから、日本独自のものとなる栂を利用した装飾が非常に多くの住宅で利用されるようになったのです。
栂は木目が美しく、また加工しやすいために住宅の装飾を行うには適した木材となっているのが特徴です。また軽量である店も住宅自身に負担をかけない非常に適した材料となっていることから、個性的な住宅を建築したい近年の人にとっては非常に良い建材となっているのです。そのため、栃木県では栂の需要が非常に大きくなっており、これに伴い取引状況も活発になっている傾向があります。

 

 
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