徳島県の栂(つが)の取引状況(2019)

 

総面積414,700ヘクタールの徳島県は、四国の東にあるエリアです。北部には平野がありますが、それ以外の地域には山が多く県の南部に位置する四国山地には、険しい山岳地帯が広がっています。徳島でも平野部は年間を通して温暖な気候となっていますが、山間部になると降水量が多く寒暖の差が激しいことも多いのが特徴です。県南西部にある那賀郡には森林地帯があり、おもに旧那賀町と旧木沢村・旧木頭村辺りのエリアで林業がおこなわれています。しかし徳島県でも全国の地域と同様に、高齢化が進んだため林業は後継者不足になっています。
徳島県は県土面積の75パーセントである312,322ヘクタールが森林で、そしてそのうちの94パーセントである293,000ヘクタールは私有林となってます。私有林の63パーセントとなる185,000ヘクタールは、スギやヒノキがある人工林です。近年では木材価格が低迷していることから、林業での収益が望めず管理放棄されているエリアも増えているのが特徴です。
徳島県の栂の取引状況ですが、県内ではスギの人工林が最も多く、ついで天然林やヒノキの人工林、その他の樹木が植えられている人工林と続いているため、それほど多くが産出されるわけではありません。大木になるまでに時間がかかり標高の高い環境が適している樹木なので、林業にはあまり向いていない栂は、全国的にそれほど多くの量が産出されていませんが、それは徳島県でも同じです。しかし植林はされていませんが剣山の付近の高地の天然林では栂がとれ、高知のブランド木材として取引されることもあります。
栂は古くから神社や仏閣・武家屋敷などを建てる時に使用されていて、特に西日本では好んで使われていました。四国にある松山城にも栂が使用されています。また県内には、栂を多く扱っている製材所があります。アメリカ産のものばかりでなく国内産の栂や栂のフローリング材などを扱っているのが特徴です。

 

 
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