長野県の栂(つが)の取引状況(2019)

 

長野県は本州の内陸部にある県で、海がなく山岳地帯が多いのが特徴です。かつては冬季オリンピックが開催されたことのある地でもあります。南北に細長い形をしている長野県の面積は約1,310,000ヘクタールと広く、同じ県内であっても気候はそれぞれの場所によって違いがあり、降雪量が多く豪雪地帯となっているところもあるのが特徴です。
長野県の森林面積は1,060,000ヘクタールで、県土全体のおおよそ80パーセントとなっています。国内でも有数の森林県と言われていて、全国3位の森林面積がある県です。国有林は、森林面積の35パーセントを占めているほか私有林は48パーセント、公有林は17パーセントとなっています。国内の他の地域と同じように長野県でも林業に携わる人が減っているのが現状で、高齢化がすすんだために森林の所有者が分からなくなっていることも多いです。
長野県の栂の取引状況は、全国的に見ると他の県に比べると多い方ですが、県内全体と比較すると多いものではありません。県内にある人工林に植林されている樹木で最も多いのは、全体の52パーセントを占めるカラマツです。そして17パーセントを占めるスギが続きます。その次にはヒノキ・アカマツが多く植林されていて、広葉樹が全体の1パーセントほどとなっています。標高の高いところに自生し、成長に時間がかかる栂は、あまり林業向きではない性質です。しかし木目や色を好みこだわって使っている木材店も国内にあり、四国や九州の一部で産出されるもののほか、長野県産のものも流通することがあります。
栂は住宅や寺院・神社などを建てる時に使用されるほか、城に使われることも多い木材です。長野県にある城には、安土桃山時代の末期から江戸時代の初期にかけて造られた松本城があります。この城にも栂は使用されているのが特徴です。天守の1階・中央にある管柱は、創建された当時からある丸太柱で、栂が使われています。

 

 
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