大分県の栂(つが)の取引状況(2019)

 

九州地方の東部にある大分県は、別府や湯布院などの温泉地が多くあることで知られている自然豊かなエリアです。西には日本百名山の1つである九重連山があり、南には祖母山や傾山といった山があるなど、樹木に覆われた山地も多くあります。熊本県との境の辺りには、カルデラにある阿蘇山や火山群の阿蘇くじゅう国立公園に指定されているエリアがあるほか、耶馬日田英彦山や祖母傾といった国定公園に指定されている区域や県立の自然公園に指定されている地域がいくつもあるのが特徴です。
大分県には森林組合や造林会社などの林業経営体が36あります。県内の土地面積は634,000ヘクタールで、そのうちの森林面積は453,000ヘクタール。森林面積の広さは全国で19位となっていますが、森林率は全国平均が67パーセントであるのに対して、大分県は72パーセントであるため、森林率が多い県であると言えるでしょう。
森林面積のうち国有林は47,000ヘクタールで、民有林は402,000ヘクタールあります。スギやヒノキをはじめとした人工林は210,000ヘクタール、広葉樹が多い天然林は155,000ヘクタールとなっています。そんな大分県の民有林の52パーセントが人工林で天然林が38.5パーセントです。人工林で最も多いのはスギで全体の34パーセントを占めています。次いで多いのはヒノキの14パーセントです。クヌギやナラは10パーセント程度で、28パーセントをその他の広葉樹が占めています。天然林で最も多いのは広葉樹で、針葉樹は少ないのが特徴です。
栂の多くがアメリカ産の輸入木材になっている現代では、国内産の栂はあまり流通されることはすくなくなっています。大分県の栂の取引状況も現在ではかなり少ないです。栂の産地としては九州の霧島周辺が知られているほか、高知県・長野県があり多少流通することがある程度です。大分で産出されたものがあったとしても、天然林から採れるもので数は少ないのが現状です。

 

 
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