神奈川県の栂(つが)の取引状況(2019)

 

神奈川県は太平洋に面している関東地方の南西にある県です。全国でも東京についで人口が多いことで知られているエリアで、人口密度も全国3位となっています。県の中心部には商業施設や企業が多くありますが、県西部には丹沢山地や足柄山地といった標高の高い山が連なるエリアがあり、神奈川県の森林率は39パーセントです。
神奈川県の面積はおよそ241,600ヘクタールで、そのうち森林面積は94,885ヘクタールとなっています。森林面積の89パーセントを占めているのは民有林で、84,226ヘクタールあります。国有林は11パーセント程度に留まり、その面積は10,659ヘクタールです。神奈川県にある民有林のうちの半数近い55パーセントは、企業・個人・神社・寺などの私有林となっています。自治体や県の公有林は、34パーセントです。
神奈川県の栂の取引状況ですが、かつては神社仏閣・城・武家屋敷などで使われることも多かった栂は、現代では国内産ものは少なくなっています。植林に向く樹木が他にあるため、現代の木造住宅で使用されることが少なくなっているのであまり需要も多くはありません。しかし栂にこだわっている建物や古い建築物の修繕のために使用されることはあります。とはいえ少量ながらも国産の栂が流通する場合には、神奈川県産ではなく他の産地のものである場合がほとんどです。
神奈川県にある民有林の多くは立木地で38パーセントが針葉樹、57パーセントが広葉樹です。このうちの60パーセントが広葉樹が自生している天然林となっています。40パーセントは人工林ですが植林されているほとんどがスギやヒノキ、マツです。県内にある木材加工会社では、スギやヒノキの国産材や神奈川産の木材を取り扱っているほか、北米産の米栂の取り扱いもあります。米栂はマツ科ツガ属の常緑針葉樹で、加工しやすく仕上がりも良いと言われています。神奈川で栂が必要な場合には、このような外材や国産の他の地域のものの方が手に入りやすいでしょう。

 

 
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