宮城県の栂(つが)の取引状況(2019)

 

宮城県は県土の約6割が森林地帯といわれており、林業の盛んな県といっても過言ではありません。県内の森林面積は約42万ヘクタールで、県土の約57%を占めています。地域的には奥羽山脈沿い、県北東部の北上山地などでの森林率が高めです。森林の所有形態としては国が所有を行う国土林・地方自治体が所有する民有林にわけられており、割合としては国有林が3割で残りの7割は民有林です。

 

宮城県の中でも森林面積が多いのは、東北最大の都市ともいわれている仙台市で、約45,348ヘクタールの森林が市内に存在しており、2位は秋田県や岩手県などの県境になる栗原市(44,442ヘクタール)、3位は栗原市の南側に隣接している大崎市の42,801ヘクタールの順になります。

 

宮城県の森林における土地利用の現況の中では、民有林が全体の約39%で国有林が18%、県土面積全体から見たときの森林面積は57.3%です。残りの42.7%は、農地が17.5%でその他が約25%の割合です。また、森林面積の約52%が天然林で、48%は人工林です。それぞれの森林の中では杉や松・ヒノキ・カラ松など様々な樹種があり、栂の取引状況としてはマツ科の中に含まれるのが特徴です。栂はマツ科の常緑高木で、木材の特性としては堅いのが特徴、この特性を生かして建築資材・家具・パルプなど様々な用途で活用が行われています。また、栂の樹皮にはタンニンが多く含まれているのですが、タンニンは赤ワインの渋味成分などで利用が行われている成分です。

 

宮城県のマツ科の森林面積は、30,658ヘクタールで県全体の樹種における構成比は約10.7%です。県内の中で最も取引が行われている樹種はスギの38.2%で、スギ林の面積は10.9,035ヘクタールにも及びます。栂の取引状況は決して多いものではありませんが、マツ科の樹種が全体の約1割を占めていること、栂の需要が高いなどからも国産の栂への注目が集まっているのではないでしょうか。

 

 
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