岩手県の栂(つが)の取引状況(2019)

 

岩手県は県土の約77%が森林、林業が盛んに行われているなどの特徴を持ちます。豊富な自然環境に恵まれた県でもあり、森林率は全国第7位の規模です。ただ、森林面積においては北海道に次ぎ第2位の規模でもあり豊富な木材資源を持つ県といっても過言ではありません。こうした特徴を持つ岩手県の森林ではありますが、森林保有者が所在市町村の区域に住んでいない、いわゆる不在村者が多いともいわれており、私有林面積全体の約10.9%が森林の管理機能低下が生じているなど、深刻な問題を抱えているようです。

 

岩手県には北上川と馬淵川、2つの河川をはじめとして、312の法定河川がある場所です。川は海に水をそそぐ役割を持つものではありますが、公共用水域の生物化学的酸素要求とも呼ばれているBODや化学的酸素要求量とも呼ばれているCOD、これらの環境基準の達成率としては毎年90%前後で推移しているなど、良好な水資源を確保していることがわかります。

 

岩手県は自然が豊富にある場所などからも、身近な緑や水辺・野外・レクリエーション空間などで活用される人も多く、森林の生態系を守り続けることは人々の暮らしに大きな影響を与えてくれることに繋がって来ます。岩手県内の森林には、スギ・アカマツ・カラマツ・ヒノキなどの樹種が中心に間伐および植林が積極的に行われており、栂の取引状況も比較的多い場所になっているようです。栂はマツ科の植物でもあり、アカマツやカラマツ林の一角に栂林が設けられていたり、天然林の中でも見かけることが多い樹種です。

 

4つの樹種の中でも最も多いのは5,248ヘクタールの面積を持つスギ林で、続いて多いのは4,607ヘクタールの森林を持つアカマツです。カラマツは1,261ヘクタール、ヒノキは1,023ヘクタールなどの内訳になります。栂はマツ林に含まれる樹種などからも正確な数値は不明確ではありますが、カラマツやアカマツなどの森林面積が多い県などからも、栂の取引状況としては横ばいもしくは上向きになっているのではないでしょうか。

 

 
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