岡山県の栂(つが)の取引状況(2019)

 

日本全国の森林面積は約25,097千ヘクタールといわれていますが、岡山県の森林面積は約484千ヘクタールで県土の約7割を占めています。この内、民有林の割合は約92%で、全国平均の69%よりも多いことがわかります。民有林には人工林と天然林の2つにわけることができるのですが、全国平均での人工林の割合は約46%、民有林は約50%です。岡山県では、人工林が39%、民有林が約57%といわれており、人工林は約176千ヘクタールの面積を持ちます。全国規模での民有林における人工林樹種面積は、スギが全体の約47%で岡山県内では約21%と低めの割合になります。これに対して、ヒノキの場合は、全国規模では約27.5%に対し岡山県では67.7%と高めで、栂などの取引状況も多い県といっても過言ではありません。

 

栂は、マツ科ツガ属に分類が行われている常緑性の針葉樹で、常緑性は冬場も葉をつけるなどの特徴を持つ植物です。1年を通じて葉が生い茂るなどからも森林には欠かせない存在です。成長すると大木となり樹高は30メートルを超えることが多いようです。主に、本州中部から屋久島にかけて分布しているなどからも、岡山県内でも多くみられる樹種といっても過言ではありません。現在では建材として活用されることが多いのですが、樹皮はタンニンが多く含まれており漁師が使う漁網を染める目的で活用されていたといいます。

 

岡山県の人工林の中でのマツ科の植物の割合は約9.1%で、森林面積の割合としては少ない樹種といえましょう。マツ科の植物にはいくつかの種類があり、その中の一つが栂です。全体の約9.1%がマツなどからも栂の取引状況としては多くはありませんが、建築資材で活用されることが多い樹種、国産の栂は外国から輸入されるものと比べると品質が高いなどからも高価な値段で取り引きされることは珍しくありません。ちなみに、岡山県はヒノキの産地としても有名ではありますが、栂などの樹種の取引量も決してすくなくはないのです。

 

 
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