富山県のケヤキの取引状況(2019)

 

富山県では、天然林のケヤキよりも人工森林を資源とした整備を中心に施策を行っていますので取引状況も人工林の方が上回っている傾向があります。実際に、スギを主体とした人工林の増加が確認されていますので、ケヤキの取引状況は平均的でさほど変化はありません。富山県で人工林が問題視されているのは、県の木材の流通が小規模であることと、公共建築物などでの木造率が低いという点が存在するからです。そういった施設に有効活用できるように、効率的な加工と品質のよい木材が求められるようになり、スギを中心とした木材の流通が必須になっています。実際に、県産材を安定して供給するための整備も進められていて、木材産業全体を活性化させるための様々な施策が講じられているわけです。現実的に使うことができる木材として、人工林が理に適っていることからケヤキのような天然林ではなく、人工林が富山県では取引が多い現状になっています。
ただ、多角的な面から富山県が森林全体への整備と管理を進めているのも事実です。林業就業者の観点からも、全国的に数が減少している県が多いのと比較しても、若い世代を中心とした就業者が増えているという大きな特徴が存在します。そのため、将来的に人工林だけではなくケヤキのような天然林の取引状況が大きく改善する期待もあります。
具体的な策としては、平成27年から行われている若者への冬期林業によって、通年雇用化を県全体で改善し、その効果が如実に表れているといえます。また、林業や森林全体を守る対策としても、富山県では水と緑の森づくり税というものを活用して、里山林の整備を積極的に行っている傾向があります。山林の中には、経年によって活用することができなくなった古い木材が数多く存在し、そういった使えなくなってしまったものを整備して処理し、新しい生育に備えます。このように、県全体で税金を投与しながらうまく解決していく対策を講じています。

 

 
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