茨城県のケヤキの取引状況(2019)

 

関東地方の北東にある茨城県は、東は太平洋に面していて、西は栃木県と埼玉県に隣接しているほか、北は福島県・南は千葉県に接しています。総面積は約61万ヘクタールで全国では24位の広さ。北部には工業地帯があるほか阿武隈山地の南端となる八溝山地が広がっていますが、県西部は農業が盛んな内陸の地域です。
森林と農用地が県土の約3分の1ずつを占めているのが茨城県の特徴です。林野率は約30パーセントと、全国平均から比べるとかなり下回っています。その中で民有林は142,000ヘクタール、国有林は45,000ヘクタールの広さがあります。民有林の内訳をみると、96パーセント以上となる136,000ヘクタールが私有林で、公有林は3.4パーセントです。多くが私有林であることがわかります。さらにこれらの私有林の約80パーセントは5ヘクタール以下の零細です。
茨城県のケヤキの取引状況ですが、北部の山岳林地帯には、スギやヒノキの木材の生産が行われています。県内での代表的な林業地帯であるこのエリアでは、ケヤキよりも、加工しやすく安定供給が可能なスギ・ヒノキが栽培されています。一方、中央部から南西部にかけては、シイタケ栽培や防風林として使われている平地林、都市の緑地としての植栽があるのが特徴です。しかし現代では、山に自生しているケヤキの大木の数は少なくなりましたが、茨城県内には巨木のケヤキがいくつもあるのが特徴です。ケヤキの生育に適した関東ローム層の土壌があり、県内では樹齢約550年の猿喰の大木や樹齢約500年の若宮八幡宮の大木などが有名です。それ以外にも、公園や庭園・街路などの街路樹や防風林としても活用されています。
茨城県の木材の需給量は、県内産のものが約24パーセントを占めています。その一方で国内の他県産ものは約6パーセント、そして外国産のものは約70パーセントです。この中でどの程度ケヤキが含まれているかは不明ですが、日本家屋が減ったことからケヤキの使用量は全国的に減少傾向にあります。

 

 
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