岩手県のケヤキの取引状況(2019)

 

東北地方の沿岸部にある岩手県は、南部富士と言われる岩手山を中心にした山岳地帯と丘陵地が多い県です。三陸の海岸部と内陸部にある北上盆地以外はほぼ山地であり日本で2番目に広い総面積を誇りますが、可住地面積は全体の24パーセントという、自然に恵まれた地形が特徴です。その地形のため県内でも地域によって気候が異なるだけでなく、農業や漁業・畜産業など様々な産業があります。岩手は山が多く森林面積も広いことから、林業にも力を入れている県です。その自然を生かすため、自治体で木質バイオマスエネルギー活用に力を入れています。岩手県の紫波町は町のシンボルがケヤキとなっているほど、この樹木と関係の深いエリアです。総面積1,527,501ヘクタールの内、森林面積は77パーセントの1,171,446ヘクタールを占めています。さらにその内には、392,000ヘクタールの国有林、784,000ヘクタールの民間林があります。ニレ科の落葉高木であるケヤキも、山地や丘陵部・平地などに見られます。
岩手県のケヤキの取引状況ですが、この県では針葉樹と広葉樹の生産量がおおよそ半々となっています。数の多い樹種はそれぞれ全体の約2割ずつを占めるアカマツやスギ、約1割程度を占めるカラマツです。ケヤキは、家具や建具などに使われるため取引されています。硬くて丈夫であるため、日本家屋の建築用材としても昔から使われていて、特に寺院では欠かせないものとされていますが、近年は高価となっています。昔ながらの日本家屋にマッチする、和家具に加工されて使われることが多く、和箪笥やちゃぶ台などが作られているほか、お盆やお椀などの漆器にも使われることが多い木です。
また岩手県には、林業経営体数が8,795もあり、全国2位の経営体数です。中でも「岩手県意欲と能力のある林業経営体」として、自治体で選定・登録されている経営体は2019年9月時点で81あります。

 

 
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