福岡県のケヤキの取引状況(2019)

 

福岡県は、豊かな自然に恵まれており、ケヤキがもともと自生している産地でもあります。福岡県は県内産の木材を使用することを推奨しているほか、良質な木材を求めて県外からの需要が高く、取引状況も良好な地域です。また中国や韓国、近隣諸国への輸出量が増加傾向にあるため、需要の高まりを見せている地域でもあります。木材価格はライフスタイルの変化や建材の多様化、輸入の増大などで低迷している時期もありましたが、最近では中国や韓国などからの需要が高まってきている子おから回復傾向になっています。
福岡県のケヤキ材は、住宅の建材として使われるだけではなく家具などの材料としても大変人気があり、国産材の需要が増加していることから利用割合が増えてきています。福岡県の森林率は45%と森林の多い県と比較をすると多くはありませんが、人工林率が6割をこえており計画的で手入れの行き届いた森林が産業として成り立っていることが分かります。福岡県では、ケヤキを始めとする県産木材の利用の仕方を、既存の利用にとどまらず新たな木材製品や良質な木材として付加価値を付けた製品、新たな技術の開発などに取り組んでおり需要拡大を通じた地方創生にも取り組んでいます。無垢材の人気が上昇してきていることから良質で、ケヤキの自生地域でもある福岡県の材木は大変注目されており、大型施設や公共施設などへの利用も広がっています。
福岡県では、全国の森林組合との連携や県民や企業への啓発活動、県民や企業と連携した保全活動などにも積極的に取り組む姿勢があります。一方で林業従事者の高齢化による離職、森林地域の過疎化、台風の被害による影響などの課題もあるため、森林を守り育てていく人材や木材を使用した産業の担い手の育成が課題になっているということも現状です。若い世代の移住を含めた取り組みが、今後は展開されることが望まれており、林業全体の活性化とともに木材関連産業の維持、発展にも取り組むことが、良好な取引状況を維持するために必要です。

 

 
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