山口県のケヤキの取引状況(2019)

 

山口県は、民有林が多く全国平均の森林面積よりも広くなっている傾向があります。その大半が私有林であり、実際に経営状態をみても国が管理している国有林は全体の3%しか存在しません。このことからも、ケヤキを含めた林業全体の取引状況も民間がきちんと管理できていることがわかります。ただ、私有林が豊富に存在することから整備や保全が行き届いていない森林が存在するケースも多く、それが今後の課題として挙げられている点も否定できません。現実的にも、人工林に関しては長期にわたって手入れがされていないところもあるため、県全体で積極的な取り組みをするべきだという指摘もされています。
基本的に、山口県はケヤキなどの天然林ではなくスギやヒノキを中心とした人工林の方が使える木材が多い傾向があります。民有林全体でみても4割から5割程度を占めていますので、人工林の計画的な整備が行われてきたことがわかります。また、竹林が人工林に対して影響を与えているのも山口県の特徴的な傾向です。竹林面積が全国で2位であるため、他県と比較すると隣接する人工林に竹が侵入してしまうという問題点が存在します。ですから、竹林の適切な管理を行う必要性に迫られています。
反対に、生育途上ではありますが順調に面積を広げているのがケヤキなどの天然林です。天然林は品質が良いことから、過去に一度大規模な伐採が山口県でも行われました。現実的な木材として利用するためには長い年月が必要になるため、その目的を達することができるように管理を適正に行うように課題を設けている特徴があります。実際に、山口県では50年生以下の若い天然林が6割から7割程度が存在すると考えられており、将来的には取引ができる木材が多く供給できる可能性はありますが、現在は生育途上です。ただ県全体としても、民間と協力をして県に存在する林業を活性化させたり、間伐材などを有効活用して資源を有効活用するように木材市場全体への対策は行われています。

 

 
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