島根県のケヤキの取引状況(2019)

 

島根県は、県土の約8割を森林が占めており国内でも有数の森林の割合が高い県のひとつになっています。民有林面積の約4割は人工林であり、計画的な植樹や間伐、伐採が行われているため手入れの行き届いた森林が形成され、良質な木材が生産されています。島根県では、マツやスギ、ヒノキなどの針葉樹の植樹が盛んであるため、国産材が見直されてきている昨今では島根県産の良質な木材の取引状況も回復してきています。高度経済成長によって木材需要が高まった時期には木材の輸入量が増え外材に頼っていることもありましたが、国産材の需要が高まってきていることから島根県の木材取引状況も回復してきている状態です。
島根県では、マツやスギ、ヒノキの植樹が盛んですが、ヒノキが自生する地域であるため、古くからの寺社仏閣や街づくり、自生林等においてはケヤキが多くみられます。島根県では、ケヤキを使用した特産品の生産が古くから伝統工芸として行われており、現在でも大変人気が高く技術も守られている地域です。特にケヤキ材による茶道の道具や民芸家具は使い込むほどに光沢を増し、丈夫で美しい工芸品として大変有名です。最近では、伝統の技術を踏めた現代的なデザインも増えてきており、若い職人も育ってきている状況になっています。建材としてだけではなく、伝統工芸品や家具などへもケヤキが多く利用されていること、他県からの需要もあることから島根県のケヤキの取引状況は良好ということができます。
自然林も多く、人工林も多いという特徴がある島根県ですが、森林地域の過疎化や林業に従事する人の高齢化などによって林業の担い手は減少している傾向があります。森林保全に向けては行政や森林組合も取り組んでおり、県民や企業への啓発活動、移住の推進活動、伝統工芸品の保全活動など幅広く行われていますが、担い手の減少を増加に転じることは難しい側面があるためさらなる取り組みが必要と考えられています。

 

 
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