兵庫県のケヤキの取引状況(2019)

 

兵庫県の約8割の面積は中国山地に属している山深い地域になっています。冬は日本海側から冷たくて湿った空気が流れ込む日本海側では、積雪が多くなるのが特徴でこの一帯の山では非常に良質なケヤキを採ることが可能です。2019年9月現在の兵庫県のケヤキの取引状況は、前年度の約5.2%アップの25万トンになっています。この数字は林野庁が全国各地のケヤキの出荷状況の調査を開始した1985年当時と比べると、約20万トンものプラス域になっているのが特徴です。兵庫県では1980年代までは、ヒノキ・スギの木材取引率が約60%を占めており、ケヤキはごく僅かしか取引をされていませんでした。ところが、その当時の引率が70%を占めていた長野県では1998年から資源保護に努めるようになりケヤキの出荷を停止するに至りました。これを受けて、全国各地の山の資源が豊富な都道府県が長野県に代わってケヤキの出荷をすることとなたのです。兵庫県では1999年以降、スギ・ヒノキと共に年間10万トンの出荷を目指すようになり、豊岡市には新たに材木取引市場を設けて加工とセリもおこなえるようにしました。なお、出荷先としては中国・マレーシア・ベトナムの3か国が大口の取引国となっており、陸路で神戸港に木材を運んでからコンテナ船へと積まれています。10kgあたり約2万円という取引金額になっていて、全国の平均価格よりも12%高く設定されているのが特徴ですが豊岡の木材加工センターで建材用に加工をされているため値段が高くなっています。輸入国で加工をする必要がなく、すぐに建材として使えることから割高になっていても取引率が下がらないのが兵庫県のケヤキの特徴でもあります。2019年以降の兵庫県のケヤキの取引動向は、今後もアジア向けの市場が大きいといえるでしょう。耐久性・吸水性に長けている木材なので、今後も住宅用建材として海外で高い需要が見込めるものになっています。

 

 
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