愛知県のケヤキの取引状況(2019)

 

愛知県は森林が総面積の4割を占め、国有林を除いた人工林は約13万haあります。その面積は県内の全森林の約6割となっていて、人工林の比率の高さは全国的にもトップ3に入っています。同県の人工林は植樹より50年頃のものが多く、45年以上のものは全国平均の約5割をはるかに上回って、約7割以上を占めています。
同県は肥沃な土壌と温暖な気候という土地柄から、ケヤキやヒノキなどの質の良い木材を算出していて、取引状況を見てもさまざまな所で使用されていることが分かります。
同県のケヤキは、辺材が淡く黄色味を帯びた褐色で心材は黄色から赤みがかった褐色です。木理ははっきりし、老木になると美しい模様が出るものが多く見られます。材質は硬くて重めですが、加工するのにそれほど難しいものではありません。また年輪の幅が狭く大木のものほど狂いも少ないと言われています。肌目は粗いですが磨くとツヤが出ます。このように木理の美しさと強度、耐久性という点で優れている愛知県のケヤキは良質なものとされ、2019年現在、構造部としても装飾部の材料としても需要が高い傾向にあります。また、家を建てるには、同じ土地で算出された木材を使用するとその土地の気候風土に適しているため、環境に最適な住宅を建てられると言われています。そのため、県内の住宅市場でもケヤキをはじめとする同県の木材は、ニーズが高い傾向があります。
ケヤキは昔から寺の建築材料としてヒノキと並ぶほど人気のあるものです。家具にも多く使用され、和たんすや仏壇などだけではなく、さまざまな洋たんすにも多く使用されています。日本の木材は海外からも注目が高く、取引状況も良い傾向が続いています。その要因として考えられるのは、他の建材にはない木材特有の特徴にあります。それは湿度が高いときには水分を吸収し、低いときには排出するという自然のコントロールが出来ることです。また熱も伝わりにくいため断熱性があり、床材に使用すれば冷たさを軽減できます。愛知県ではそれらを踏まえて、ケヤキやヒノキ等県内産の木材の技術開発や製品作りに力を入れています。

 

 
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