福島県の桧の取引状況(2019)

桧はほぼ全国に分布している高級木材で、日本だと特に関東を中心に生産されています。
福島県は全体的に見るとそれほど盛んではありませんが、東南部を中心に一部の地域で有数の産地が存在します。
また、元々自然が豊かな土地ですから、木材全般の生産や流通が盛んといった取引状況にあります。
全国平均からすると決して多くない桧の生産量ですが、福島県内の需要をカバーしたり、他の地域に出荷する程度の生産量は確保されます。
福島県の森林面積は約100万haありますが、天然の桧が自生できるギリギリの地域ですから、採れる木材はとても貴重だといえるでしょう。
それもそのはず、桧は雪や寒さに弱いので、膨大な生産量の栽培を行うのは難しいわけです。
福島県よりも北の地域では、秋田や青森だと殆ど生産されていませんから、こういうところからも生産が難しいことが分かります。
北海道では生産量がほぼゼロですから、いくら緑が豊かで森林の面積が広くても、貴重な高級木材の栽培には向かないです。
つまり、福島県で桧が栽培できているのはある意味で奇跡的ですし、もし土地がもう少し北の方だったり寒い気候だったとしたら、桧の栽培は不可能だったでしょう。
そういう事情もあって、福島県で栽培されたり出荷が行われる桧は限られ、流通量もそれなりという取引状況です。
流通量が控えめなので、希少性がある種のブランドになっていますが、必ずしも福島県産が超高級というわけではないです。
むしろ、流通が少ないことから知名度も低く、あまり目にすることがない産地と認識されている傾向です。
勿論、福島県は他の地域に桧を出荷しているので、全国的に少なからず流通はありますし、入手性も極端に低くはないでしょう。
海外で入手できるかは微妙なところですが、少なくとも日本国内であれば、産地を指定して入手や購入ができるはずです。
例えば県内で流通する正角材は、3mほどのサイズが1本あたり8万円前後で取引されています。
以前は一時期10万円台で推移していましたから、価格は下がって落ち着いたといえます。