鹿児島県の桧の取引状況(2019)

 

鹿児島県の森林面積はおよそ94000ヘクタールで、総土地面積に占める林野率はおよそ68パーセントです。そのうち桧林の占める面積はおよそ48000ヘクタールで、主に伊佐地域を中心に川内川上流域にかけて優良林が形成されており、伊佐市と霧島市、姶良市、湧水町の4市町で合計21000ヘクタールと全体の約44パーセントを占めています。桧の齢級別構成は8齢級から10齢級が最も多く資源としては充実しているものの森林の高齢級化が問題となっており、森林の育成と利用間伐の推進がますます重要な課題となりました。鹿児島県産の桧はヒノキ科の特徴でもある耐朽性に優れていることが特徴で、主に住宅などの土台に好んで使用されることが多く高級木材として扱われています。現在の取引状況は県内にある9カ所の木材市場を通じて県内の木材製造会社に主に流通しており、3メートルから4メートル長級で直径3センチから28センチの直材が主流で、価格帯は8000円から18000円で通年安定供給を可能としています。また、県かごしま材認証工場で用途ごとに品質・寸法・乾燥などが日本農林規格を満足するように加工された材は「認証かごしま材」として扱われることとなり、この木材で建てられた住宅は住宅ローンの金利が優遇されたり、性能保証登録料の一部について補助が受けられるなどの特典があります。鹿児島県の桧は海外との取引もあり、輸出先は韓国と中国、フィリピンが上位3か国です。元々鹿児島県の木材加工業者は輸出に前向きでしたが、輸出は短期間にまとまった量を確保せねばならず鹿児島県の業者のみでは困難であったため、宮崎県の森林組合と協力し「木材輸出戦略協議会」を発足、県の補助金に頼らない体制を作りました。相手国の実情に合わせた木材のカットなどにも対応した結果、桧の丸太輸出量が急成長したことに加え、中国でもこれまで構造材として認可されなかった桧の使用許可が下りたことから、更なる輸出増が期待されています。

 

 
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