長崎県の桧の取引状況(2019)

 

長崎県は県のシンボルとして桧をしているほど、この樹木と関わりがある県です。
海に面している県なので、生産量的にはあまり多くありませんが、それでも人工林は杉と並び桧が主体となっています。
例えば、長崎市は民有林に限ると約2万2千haの面積を誇り、その内の約3割ほどが人工林です。
県の森林面積は約24万haにも及び、杉と桧の民有人工林は約9万haとなっています。
長崎県も他県と同様に全体的に林業の環境が悪化しており、従事者の高齢化や後継者不足など、今後の管理が懸念されます。
ただ、県としては林業の基盤を立て直し、今後も継続できる状況を作り上げるとしています。
肝心の取引状況については、戦後の植栽により生産量が安定しており、良質な木材を大量に出荷している状況です。
これは九州地方の他県と比べても特徴的で、出荷量自体は他県に譲りますが、保有する桧の量そのものは膨大です。
素材の供給基地になっていますから、長崎県産は九州の木材として知名度を高めていますし、長崎桧の名前で浸透しつつあります。
良質な木材が大量に採れることから、近年は中国や韓国を中心に、交易の一環として出荷を行っています。
長崎桧は日本だけでなく海外でも認められ、良質な木材と認知されるに至りました。
まさに地理的な優位性を活かした戦略で、長崎県らしいビジネスだといえるでしょう。
このように、長崎県は国内外の各地に出荷している取引状況で、逆に他から輸入したり流入する桧は限られます。
自給できる十分な栽培量を誇りますから、わざわざ仕入れる必要はないわけです。
勿論、隣接する九州の他県の桧は行き来したり、販売が行われて入手できるケースもあります。
長崎県は木材の入手性が優れているので、地元産も他県産も選んで手に入れることが可能です。
住宅にもお風呂用にも入手できますし、加工済みの使いやすい素材も割と多くの材木店で販売されているので、やはり入手性が魅力的な取引状況にあります。

 

 
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