大分県の桧の取引状況(2019)

 

大分県には「林業のまち」日田市があり、その面積の83%が森林で形成され、多くが杉や桧を主体とした人工林で占められています。この森林資源を背景に古くから林業や木材産業が発達し、日田を日本随一の「林業のまち」に成長させました。桧の取引状況については、隣県の福岡県にある木材の街でもあり、木工家具の街でもある「大川市」との取引が最も盛んなルートになっています。

 

大川市では毎年「大川の家具祭り・匠の技の展示会」が地元自治体のバックアップのもとで開催されており、海外からの買い付け客の姿が多くみられるようになりました。ナチュラルな桧の色合いが、北欧家具のようなシンプル感という美しさを醸し出しているところが、外国人の強い関心を引いているのではないかという専門家の意見もあります。また日田の桧がもつ特有の香りが、自然や森林を愛する北欧の外国人の心をくすぐるのではないかともいわれています。日本一の家具の街大川で活躍しているのが、耐久性・耐熱性に優れ、香りも豊かな日田で育ったヒノキの存在です。

 

日本一の家具の街・大川市の職人たちが熟練した技術でつくり上げ、長年使えば使うほど、艶やかで表情が出てくる日田の桧は、味わい深い家具を完成させているのです。箪笥をあまり使わなくなった若い世代を意識して、日田の桧の美しい光沢を活かしお洒落なクローゼットを造り上げたり、パソコンなどを置いて作業ができるデスクセットにしても、最近のIT文化の浸透を意識し、桧の特徴である「肌ざわりの良さ」を全面に出して、デザイナーやプログラマーの使い勝手にまで配慮した今までにない斬新な家具の材料として重宝されています。

 

また、最近は大分県を中心に九州北部には高齢化社会を意識した健康ブームの風が吹いています。日田のヒノキは強さ・美しさ・癒やしに加え、人間の健康面にも他の木材よりも良い効果があるとされ、取引量も年々増加傾向にあります。大分県内には16箇所の原木工場があり、桧の取扱量は2019年は1月から毎月16,000?前後の取引量で、平均単価も14,000円台を維持しており、多い月は15,000円に迫る勢いです。

 

 
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