徳島県の桧の取引状況(2019)

 

徳島県はその75%が森林であり、杉や桧の割合がその64%と非常に多いのが特徴となっています。特に生産量が多いのは杉ですが、桧もこれに次いで生産量が多いものとなっており、全国の流通量の大半を占めているのが特徴です。そのため2019年の取引状況も非常に芳しく、前年度よりも流通量が増えており、非常に良い状況といえます。
徳島県の桧は他の地域に比べて樹齢が若いのが特徴となっています。一般的に樹齢55年から60年程度のものが最も良いとされており、日本で最も有名な木曽の物などはこの範囲の樹齢となっていますが、徳島県のものはこれより5年ほど若い50年から55年程度で製材され出荷されるのが一般的で、若いゆえに柔軟性が高くまた木目が美しいのが特徴となっているのです。そのため浴槽など木目の美しさが生きる用途に利用されることが多く、全国的に高い人気を誇っているのが特徴です。
近年木材需要は住宅の様々な方法の変化により減少する傾向がありました。特にバブル期のマンションブームやバブル崩壊後の住宅建築の減少などにより、木材の需要は全国的に非常に冷え込んだ時期もありましたが、近年では木造建築が見直される傾向になっており、これとともに木材需要も復活しています。ただし従来の木造建築とは異なり強度や柔軟性を重視する方法が非常に増えていることから、構造的な要所に鉄筋などを利用しながら木造建築の美しさを合わせる広報が主流となっているため、杉や桧のような美しさを持つ木材の需要が非常に増えているのです。徳島県では早くからこの点に注目し杉や桧を植林しており、ここ数年がその成長のピークを迎えていることから出荷量が非常に増えている傾向があります。
徳島県の木材の特徴は南国の暖かい天候でのびのびと育ったことで柔軟性と堅牢性を持っている点にあります。また同時に木目の美しさでも全国的に評価が高く、そのために桧の取引状況が年々芳しくなっている傾向があり、2019年も例年になく好調な取引が行われている状況となっているのです。

 

 
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