山口県の桧の取引状況(2019)

 

2019年の山口県の桧の取引状況としては、例年通りの安定した状態が続いています。桧の原木価格の推移もここ数年間はほぼ横ばいという状況で、特に桧の取引状況に影響を及ぼすような事情が見られないことが理由の一つです。桧は日本特産の代表的な樹種で、関東以南の本州や四国・九州を経て屋久島にまで分布しているので、山口県は良好な環境といえます。そして高級建築材として需要も高く日本国内で古来から使用されているので、木を取引するノウハウも確率しているおり安定した供給がなされています。そのため、特段の事情のない限りは取引状況に大きな変動が生じることはなく、継続的に世界中に人気を誇る木材として取引されているのが現状です。
もっとも、山口県の木材市場の現状が安定しているという一方で、長いあいだ斜陽産業とされていることを危惧する声も上がっています。価格状況にも大きな変動がないことから、2019年10月の消費税増税前の駆け込み需要などを踏まえても、原木の取引価格は一定程度上がるにとどまり、増税後はまた元の取引価格に戻ってしまうことが想定されます。また、長年の不況から今回の10%の増税については、前回の5パーセントから8%に増税したときに比べると取引価格の高騰もあまり見込めない状況でしょう。
また木材が多く使用されるものとしては住宅がありますが、山口県内では新築の住宅が建設される数が増加することは見込みにくく、需要が増えないので原木価格も横ばいになっていしまっているのが現状です。ですが、桧は上質な木材で根強いファンを持ちながら取引されているので、お風呂場のリフォームなどにも使用されることもあります。そのように、木造建物以外の使用方法を広めていくことで、新たな需要が生まれることも想定されます。そのため、取引市場の状況は決して楽観視できるものではありませんが、木材の性質をうまく活かして活路を見出していくこともできるといわれています。

 

 
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