兵庫県の桧の取引状況(2019)

 

観光地として人気の神戸市がある兵庫県は、都市のイメージが強く林業とは無関係と思うかもしれません。
しかし県の北部を中心に兵庫県内の約7割は森林と言われており、その約4割は杉や桧の人工林です。
戦後や高度成長期に国内の木材需要に応えるため国を挙げて植栽を行い、現在は6割以上が伐採可能になったと言われています。
そのため兵庫県内の木材市場の取引状況では、桧も一定数はあります。
兵庫県産で有名なのは、県北部が産地の但馬の桧丸太です。
但馬で伐採された丸太はブランド桧として有名な岡山県の美作や奈良県の吉野へ行き、その土地の名前で販売されています。
但馬地方は牛も松阪などに売却されブランド牛として販売されることから、両者の仕組みは似ていると言われています。
全国的には兵庫県産や但馬産は無名の存在に近いですが、実は日本の有名な桧を陰で支えている存在なわけです。
兵庫県や全国の桧の取引状況については、そうした統計では目に見えない数値までしっかりと読み取らなければいけません。
国や各地方、さらには取引を行う森林組合や木材市場の発表だけを鵜呑みにしていると、兵庫県産の取引状況は見えてきません。
桧の取引状況を調べていくときには、木材市場に出品される丸太などの産地も把握しながら考えていく必要があるでしょう。
兵庫県内で生産された桧の取引状況については、大きな資料がないのでハッキリしたところはわかりません。
しかし良質な木材は全国の有名ブランドからも高い信頼を集めており、各地から製材業者や材木屋が訪れています。
また県内の市場で購入された丸太が別の地域で加工され出品されれば、それは兵庫で伐採された木材なので県内産と言えるかもしれません。
正確な取引状況を知りたいならそうした数値も考えながら、データを集める必要があるでしょう。
一般的には森林や林業のイメージがない兵庫も、実際は日本の材木業界にとってはなくてはならない地域になっています。

 

 
トップへ戻る